燃えなかったゴミ

ゲーム実況者から遊び人に進化を遂げた人間のブログ。更新は超絶不定期。

【実写版ハガレン】アンテナの無いエドワード・エルリック【ネタバレ】

2017年最後の約束された大爆死映画、実写版鋼の錬金術師を公開初日に観てきたんですよ!

僕はこの映画!すげーンだよ!

熱烈なハガレンファンは観ない方が精神衛生上良いかなって僕は思います。

注:この記事にはネタバレを多分に含みます。

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初回入場特典鋼の錬金術師0巻につられた

これ欲しい人もいると思うんですよ。

でもこれね、完全にコレクターズアイテムだからね。

漫画の中身は比較的ほのぼのしてて、国家錬金術師になりたてのエドワード・エルリックを見ることが出来ます。

でも期待してた程じゃないかも。

個人的には国家錬金術師になったばかりのエドの活躍が読めるのかなって思ったけど、どちらかと言えばギャグパートってか見せ場と見せ場の間の箸休めの部分って感じ。

感無量!と言うほどの内容じゃないけど、ハガレンファンだったら持っておいても損は無いという程度。

さて、この本編の鋼の錬金術師0巻の話はここまでにして、おまけである実写版鋼の錬金術師の話でもしようか。

 

ハガレンファンが作ったハガレン的なもの

ハガレン公開にあたり公式Twitterを解説した監督の曽利文彦

教えて!曽利文彦監督 (@hagarengimon) | Twitter

ここでもツイートされてるんですが、監督はどうやら原作のファンらしい。

前評判では「監督は原作読んだんですか!?」みたいなリプライ結構あったんだけど、映画を観た僕は思ったね。

監督は間違いなく鋼の錬金術師が好きなんだ!って。

いや、エドにアンテナが無い、theアメストリス人のウィンリィが金髪じゃない、そもそもキャストが日本人とかいろいろ言いたいことがあるのは分かる。

でもね、映画を観ると分かるんだけどね、映画を全編通してじゃなくて30秒くらいのシーンに小分けして観るとね、あぁ、ハガレンやりたいんだなってわかるわけ。

ハガレンの名場面集を寄せ集めて一本の映画にしましたって感じ。

同じハガレンファンだから思うわけ、「あぁ、監督はハガレンが撮りたかったんだな。気持ちは分かる。分かる分かる。」って。

そこは伝わってくる。

おまけで付いてくる0巻に荒川弘先生との対談が載ってるんだけど、

(漫画での)印象的な構図を映画を撮るときに崩しちゃいけない

って監督が発言してるんだけど、漫画の通り撮影してるんだよね。

「あ、俺このシーン知ってるわ」って観てて思った。

再現度の程度云々とかそういうのは、言わないよ。

高いってわけじゃあ無いけど、見覚えがあるくらいのクオリティでまとまってるからね。

ハガレンの再現映像を実写でやったと言うだけだと50点くらいの映画。

そうこれだけならね。

 

大泉洋

僕ね大泉洋好きなんですよ。

俳優大泉洋というか、芸人大泉洋が。

今回大泉洋がショウ・タッカー役で出てるわけです。

もうね、タッカーにもっと寄せて!キャラクター寄せて!

雰囲気から大泉洋なんだよ!

実写版のショウ・タッカーは凄く重要な役割を果たしていて、エドに殴られて退場とかその程度では終わらない。

原作ファンの裏をかこうと思ったのか、敵側として賢者の石の秘密を解き明かすなんてことをする重要な役回り。

雰囲気が大切なんだよ!ショウ・タッカーとしての雰囲気が!

でも、あれはどう見ても

た だ の 大 泉 洋 じ ゃ ね ー か !

役としてショウ・タッカーを作り込めなかったのは監督が悪いと思うんだよね。

あれはね、どう観ても大泉洋なんだよ!

ぼかぁね、君のような勘のいいガキは嫌いなんだよぉ、ばぁか!

に見えるんだよ。

それは大泉洋が悪いのでは?と思う人もいるかもしれない。

いや、そうじゃない。

髪を染めたり、髪型を出来るだけ寄せようとしたコスプレ感あふれるビジュアルの中、ショウ・タッカーだけは!ショウ・タッカーだけは!

似せようとも、寄せようともしなかった!

その結果は、ただの大泉洋祭!

ついこのあいだあった大泉洋映画祭に出展しても遜色ないぐらいに大泉洋

俳優の持ち味出すのは良いんだけど、配役やビジュアルの設定とかは流石に監督責任だと思うんだけどなぁ。

大泉洋出演映画としては100点の映画。

そういう意味で僕はこの映画好きです。

 

 原作VSオリジナル要素

ここまでだと割と面白そうな実写版鋼の錬金術師

面白くなかったのはストーリー展開が問題なんじゃ無いかなって思う。

原作で言えば第五研究所、バリー・ザ・チョッパーが出る辺りまで話しが進むんだけど、ここでラストが死にます!

もう一度言います、ここでラストが死にます。

何が言いたいかというと原作中のお話を時系列ごちゃごちゃにして一本に仕上げてるからなんだかなぁってなる。

おおよその流れはこんな感じ。

 

ヒューズがマスタングに第五研究所が怪しいと伝え死亡(ここから違うけど!)

マスタングが第五研究所へ乗り込みエド達が後を追う

第五研究所に大泉洋が登場!大泉洋祭!

大泉洋の暴走が気にくわないラストが大泉洋を処分

真の黒幕ハクロ将軍登場(意味わかんねーな)

ハクロ将軍がホムンクルスの軍団を起動

ラストVSマスタング

ラスト死亡でハッピーエンド

 

ハッピーエンドじゃねーよ!!!!

原作にある要素を組み合わせて駄作にしてる感満載なんだよ!

最初に言ったとおりで、30秒のクリップで切り取っただけなら50点ってのはこういうこと。

ストーリー全体の流れが悪い。

なんていうか、単体が美味しいからってカレーに、刺身やメロンやアイス、チョコレートを同時にぶっ込む事はないでしょ?

なんて言うか全体的にまとまりがないんですよね。

結局散らかって終わりみたいな。

第五研究所までの話なんだから当然なんだけど、ストーリーにまとまりがなさ過ぎる

これがこの映画の一番良くないところかなって思います。

あとエルリック兄弟の活躍が少ない

序盤にエドのアクションシーンがあるぐらいで後は特別アクションなんか無いんですよね。

かといって活躍してるかと言えばそうえもないし、物語の進行の都合上エドが画の中にいるだけで、主人公エドワード・エルリックって感じがないんですよね。

後半の見せ場であるラスト戦はマスタングが戦うしね。

アルに至っては特に見せ場が無い。

そうじゃないんだよねー。

ハガレンファンとしてはエルリック兄弟の活躍が観たいのであって、そこがあって初めてマスタングの活躍に意味があると思うんだよね。

てかエンタメ作品としても主人公の活躍がいまいちってどうなんだろうね。

この映画がハガレン初見って人もいるだろうし、その人も楽しめないんじゃないかな。

ホムンクルスの悪役感もあんまり無いから、ホムンクルスがなんなのかさっぱりだし、何故か主人公の敵側に回ってるだけって感じ。

ハガレンファンはホムンクルス達がなんなのか知ってるから悪だって分かるけど初見さんにはきついと思うんだよねー。

だから全体的には10点くらいかなって。

ハガレンファンとして点数付けるなら0点落第留年コースですよ。

この10点は監督がハガレンファンということと、なんとなく荒川先生が喜んでそうだからという部分点。

劇場に足を運んでまで観なくても良いかなーと思う作品だったかな。

 

最後に

本当はね言いたいこと沢山あるんですよ。

マスタングは堅物キャラじゃねーぞとか。

マスタングはゆるふわな髪型じゃねーぞとか。

マスタングの焔の錬成は火炎放射器じゃねーぞとか。

マスタング一人だけでも簡単に3つぐらい違うところが出てくる。

 

原作に準拠してない表現なんてゴロゴロしてるんですよね。

 

後室内セットがとてもAVパロディっぽいところとか。

そこでハガレンファンに言いたいことは!

もう一度原作を読もう!もう一度フルメタアルケミストを観よう!

僕は今からもう一度漫画読んで落ち着きます。

そしてこの映画で初めてハガレンを観た人は原作を是非読んで!

実写映画の何倍も面白いから!

絶対だよ!